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2009年05月03日

風が強く吹いている 三浦 しをん

風が強く吹いている
万引き犯とそれを追いかける男の奇跡のような偶然の出会い、彼らが陸上の世界とは遠くかけ離れた所にいた同じ寮の住人たちと、無謀にも箱根駅伝に挑むストーリー。

非現実的だと思う点も多々あります。
話の概要みたいなのを読んだ時、長距離走を長年やっていた人が読んだらどう思うかしら。私のやっていたスポーツでこんな展開されたらイラっとくるかも、なんて思っていました。
でも結局、読みだしてすぐにグイグイ引き込まれて涙腺崩壊するほど感動しました。
最後の息もつかせぬ展開に、どうなるの!次どうなるの!と思いながらも勿体なくてページをめくりたくなくて、でも読みたい!そんな葛藤と闘いながらなんとか読了 笑
あぁもう彼らがうらやましい。理由は十人十色だけどあれだけ仲間と打ち込めるものがあるっていいな。

学生のスポ根ものって、私は目が眩んでしまって、あんまり好きじゃないなぁと思っていたけど、これは別格。
所々、ウイットに富んだ会話が見られるのも、重くなりすぎず、なんて上手いこと話を運ぶんだと感嘆しました。
登場人物は駅伝なので多いですが、みな個性的でおもしろいからうんざりする事もありませんでした。私はムサと友達になりたい。


ぜひ皆さん読んでみてください!


灰二かっこよすぎる・・・!!





風が強く吹いている



ラベル:三浦 しをん
posted by クロルデン at 23:34 | TrackBack(0) | 三浦しをん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月12日

私が語りはじめた彼は 三浦 しをん

あまり厚くないのにコユイ本だった。コッテリとカロリーの高いアボガドをドレッシングなしで完食した感じ。
村川融という、無邪気で純粋で優れた学者(しかし女性にだらしない)を中心とした、周囲の人々の証言録。村川教授自身は一切出てこないのに、彼をとりまく人々の行動や言動、生き方(あるいは死に方)によって、彼が不思議なほど浮き彫りになる。こういう手法を使うこと、そして何よりこの手法で成功していることが三浦しをんの凄いところだと思うんだが、そんなことは今更なので長々書くのも申し訳ない。

「女性にだらしない」と書いたが、多分そうじゃないんだろうな。彼が彼らしく行動しているだけで、女性が「この人には私がいなきゃだめなんだ」と思っちゃうんだろう。出てくる女性はみんな一様に他の女を責めたり蹴落としたり品定めしたりするが、村川自身のことは信じている。自分を一番に愛していると。げに恐ろしきかな女の情念。

村川に翻弄される女に翻弄される男も出てくるが、基本的に三浦しをんが描く男性は、非常に魅力的だ。最後まで視野の狭さや誤りに気づかない女性に対し、全てを見通した後、衝撃を受けたり落胆したりしながらも、「自分はこうする。ただこれだけは譲れない」という潔さを見せてくれるところがいい。もちろん客観的に「ちょっと三崎さん!それでいいの!?」と思ったりはするが、日常を続けていくこと・夫婦や家族を続けていくことっていうのは、全てが愛やら絆やら美しいことだけでは語れないことなんだろう。人はいつまでもきらきら輝く恋愛ばかりしていられないし、溢れるような愛だって停滞することもある。どんな熱湯だっていつかは冷める。それでも、人は激情が冷めた後も生きていかなきゃならん。熱くはないが、それでも冷たくはない、常温の空気の中で。「小説」にするととてもイタいことのようだが、こっちが「現実」なんだよなあ。村川という人は常に熱い愛を純粋に求めている人で、常温になってしまうことに耐えられなかったのだな、と思う。常温だって愛は愛なのにな。こんな哀れなことってないよな。


以上、「まほろ」も好きですが、これで直木賞でも十分納得の一品であったなと思う次第。
それにしても、ここまで徹底的に女性の(人間の)汚さや醜さをありとあらゆる表現を駆使して書いてしまうと、人間嫌いになってしまいそうだ。。。
風景描写を読んでるだけで背筋の辺りがモニャっとしてくる不快感…文章のうまさに脱帽です。



私が語りはじめた彼は (新潮文庫)

ラベル:三浦 しをん
posted by クロルデン at 18:56 | TrackBack(0) | 三浦しをん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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