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2009年03月06日

限りなく透明に近いブルー 村上 龍

もう30年前の作品で風俗描写がふんだんにあるのに全体としてまったく古臭く感じない。
場景描写が秀逸でイメージが鮮明に立ち上がり頭の中を一定速度で流れていく感覚を覚える。まるで、映画を見てるような錯覚を起こさせる作品だが、エグイ内容ということもあり、映像にされてしまったら同じ感覚はまったく味わえないだろう。と思う。
(※映画化されてることを後でしった。見てないけど)

物語性が乏しいにもかかわらず、読み進めると、小説全体への埋没感と臨場感をひしひしと感じる。個々の登場人物には一定の距離感を覚え、感情移入は起こらないが、登場人物の感覚的な体験を読み手が理性的に鮮明にとらえるための、意図的な仕掛けだろうと思える。

間近で現場と事件を眺め、小説に溶け込むような感覚を覚えながらも、一定の距離を保ってフィクションから分離される読み手の視点は、さながら水の中の油分のようであり、主人公が現実と非現実間で自らの位置づけを見失う感覚とも重なっていく気がする。

小説ってすごいことができるんだな。村上 龍ってすごいな。って率直に思える小説。芸術。


posted by クロルデン at 11:15 | TrackBack(0) | 村上龍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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