人気ブログランキングへ人気ブログランキングへ人気ブログランキングへ

2009年04月22日

落下する夕方 江國 香織

人間の惰性 嫉妬 執着 失望 …

醜いはずの人間の感情を すんなりと染み入るように、ごく自然に受け入れる事が出来ました。


8年同棲した梨果の恋人、健吾が好きになったのは彼が3日前に出会った華子。

どこにも留まることなく漂い続け、誰にも関心無く秘めた人形のような女…その華子は彼を愛していない。。

そして華子は、梨果の住むアパートへと転がり込み、奇妙な3角関係が始まる…


彼の心と、暖かい恋人との日常を奪われた梨果に感情移入すればするほど、泣けてきて…


『たとえば冬の朝、健吾の横で、当たり前に目を覚ますこと。冷たい足を、頑健で、暖かく生命に満ちた健吾の足に絡めるときの安心。くもった窓ガラス。時間が止まってしまったような数分。

たとえば駅からの電話。仕事帰りの健吾の声。ねそべって推理小説に熱中していた私は、その瞬間たちまちすべてを思いだす。出会いからそのときまでのすべてを。

中略

それをあたりまえに思えることの、ずぶ濡れになるような贅沢。
華子にはわからない。求めて得られるようなものじゃないのだ。』


ずぶ濡れになるような贅沢。


本当は当たり前なんかじゃない、奇跡の今を大切にする事の、とんでもない価値を教えられた一冊。


日常を、丁寧に綴るように生活したいと真に思いました。

落下する夕方 (角川文庫)



タグ:江國 香織
posted by クロルデン at 19:42 | TrackBack(0) | 江國香織 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月02日

赤い長靴 江國 香織

ひさしぶりの江國さん。
ふつうの、ありそうな夫婦生活を描いたもの。
でもどこかこわれていて、可笑しい。
こんな人たちはきっとたくさんいるのかもしれない、
いないのかもしれない。
静かで、さみしくてぞっとする。

妻は夫を愛しているのだろうか?
夫は妻を愛しているのだろうか。

結婚て何なんだろう、何かが終わるものなのかな。
そしてその終わりは、幸せに満ちているのかな。

私にはわからない。
きらきらしてるけど触ると手を切る、
ガラスの破片みたいな、漠然とした恐怖を感じた。

さすが江國さん。
赤い長靴 (文春文庫)


タグ:江國 香織
posted by クロルデン at 23:52 | TrackBack(0) | 江國香織 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月31日

思いわずらうことなく愉しく生きよ 江國 香織

この本は3姉妹の話で、ちょっと「流しのした〜」に似てる。
それより深刻なんだけど。

長女はDVに苦しむ専業主婦。
次女は仕事と恋愛(肉体関係と言うべきかな)を謳歌するキャリアウーマン。
三女は「西部劇に出てくる娼婦」になっちゃうけど「家庭」に憧れてて
毎日つれづれと日記に「生きること」についての思考をつづる。

長女みたいな狂気は誰にでも潜在的にはありそう。
次女みたいなプライドも、みんな持ちたいと思ってる。
三女のように意思を持って段階を踏んでいく恋愛(と言うと三女に怒られそう)
にも憧れる。

えくにさんの描く人みんなにある弱さと強さには
結局いつも共感させられて、愛すべき人々になってる。
「人間はみんな病気なのだ。一人一人みんな」

そして、大体において、家族愛を絶対的に支持させられる。
「家族に愛されると、人は強くなるのね」

でも流しのしたの方がよかった。深町直人がいたから。



タグ:江國 香織
posted by クロルデン at 13:27 | TrackBack(0) | 江國香織 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

つめたいよるに 江國 香織

読む回数を重ねるほどに、どんどん引き込まれてく。
じんわりしみこむんだよね。
1つの話が長くてもたった5ページ程度なのに、
びっくりするほど奥行きのある世界があるんだよ。

「つめたいよるに」のほうでは、『夜の子どもたち』が好き。
ロマンがあるよ。
大人だって子どもだって、本当は変わらないんだ。
それをいつしか人には見せなくなっていくだけで。

それから、『いつか、ずっと昔』も好き。
動物だった前世にかえっていくっていう書き方だけれど、
それを昔の恋人たち、に置きかえてもいいような気がした。
結婚前に振り返る、昔たいせつだった人たち。切ない。

「温かなお皿」のほうでは、『晴れた空の下で』がいい。
おじいちゃん、穏やかに人生を生き直してるんだ。

『冬の日、防衛庁で』は、圧巻。
静かなんだけど、ぞくぞくする。襟子さんみたいな人になりたい。
静かに、穏やかに、だけど鋭くとがって刃先を光らせて。


読み終わるのがもったいなくなっちゃうくらい、素敵な短編集。



タグ:江國 香織
posted by クロルデン at 13:25 | TrackBack(1) | 江國香織 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

竹取物語 江國 香織

書店で購入して読みました。
『「見る」竹取物語』と『「読む」竹取物語』の二部構成となっています。前半は、浮世絵版画の匠である立原位貫氏の色刷りの版画を、原文と併せて楽しむ『竹取物語』となっています。後半は、江國香織氏による『竹取物語』の現代語訳です。
前半の版画からは、幻想的な雰囲気が醸し出されており、物語を読む前のムード作りを担っているように思えました。古典が苦手な方でも、版画と併せると原文も楽しく味わえるかもしれませんね。
後半の江國氏による物語は、登場人物や話の流れに血を通わせ、『竹取物語』を現代に蘇らせたと思います。静かで落ち着きのある文章ながらも、会話の箇所が、現代人のやりとりのように感じるのが上手いですね。それでいて、現代語訳は原典に忠実なところが、完成度の高い文章になっている要因だと思います。
1600円とやや高めですが、製本を考えると仕方ないのかなぁ。もう400円程度安くても良いと思うのですが。
『竹取物語』を詳しく読んだことのない方は、かぐや姫のイメージががらりと変わるかもしれませんね。大人の絵本という感じの一冊でした。



タグ:江國 香織
posted by クロルデン at 13:06 | TrackBack(0) | 江國香織 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

左岸 江國香織

隣の家同士で育った二人の幼馴染、茉莉(まり)ち九。茉莉の視点から物語を書いたのがこの『左岸』で、『右岸』は九からの視点で描かれている。どちらか片方だけ読んでも一つの物語として完結しているけれど、やはり二冊を平行に読んだ方が面白いだろう。

 茉莉には優秀で早熟な兄、惣一郎がいる。茉莉は完全にブラコン。九も隣家の惣一郎を兄のように慕う。ところが、この惣一郎が中学にあがってから首吊り自殺をして死んでしまう。この出来事が二人に大きく影響を与え、幸せの歯車がきしみ始める。離れたり近づいたりを繰り返しながら、二人の運命は・・・。

 小学生の頃から中年までを描いた2つの長編小説。ちょっと読むのに時間がかかるかも。2冊を持ち運ばないといけないのがちょっと難点かな。

 個人的な好みからいうと、辻さんと比較すると江國さんの文章の方が好きかも。ただ、江國さんの小説はなぜか当りが少ないような気がする。ナゼだろう?


タグ:江國 香織
posted by クロルデン at 13:01 | TrackBack(0) | 江國香織 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月27日

夕闇の川のざくろ 江國 香織

しおんという女性と、幼なじみらしい「私」。
しおんはとても嘘つきでとても美しい、孤独な女性。
幼なじみの「私」は彼女の生まれも育ちも知っているのに、「拾われた」「行商に出された」とか明らかな嘘をつく。それを彼女は「物語」だと言う。

「人なんてもともとほんとうじゃない」
「物語の中にしか真実は存在しない」
「しおんは人を信じていない」

わからない、でもわかるような、でもやっぱりわからないような、そんな印象的な言葉の取捨選択が、江國香織らしいと思う。
イラストの挿絵が美しく、大人の絵本の様相。
何度も読み返し、この世界観を反芻するのは楽しい。



タグ:江國 香織
posted by クロルデン at 13:22 | TrackBack(0) | 江國香織 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月11日

号泣する準備はできていた 江國 香織

江國 香織さんの直木賞受賞小説です。

表題作を含む10作以上の短編が、200ページチョイの間に収められています。

確かこれ以外にもこの作者さんの本を読んだことはあったのですが、この作品はなんだか本当に女性の作品、
作者の女性の感性全開って感じがしました。なぜ男の私がこのように感じたのかはよくわかりません…。

すごく大人のみずみずしさ含んでますって感じの各作品です。

男の人がこの作品を理解して、解釈するのって難しいんじゃないかなとか思ったりしますが…それは多分私がガキだからなのでしょう(笑)

女性は共感できる作品なのではないでしょうか。


posted by クロルデン at 12:05 | TrackBack(2) | 江國香織 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月03日

いつか記憶からこぼれおちるとしても 江國 香織

女子高のあるクラスに所属する10人の女子高生。
10人それぞれの視点で描かれた、女子高生の日常。

短編集なので読みやすく、一気に読めてしまいますが、江國ワールドはしっかり堪能できる1冊だと思います。

この本を読んで、自分もかつて送っていた女子高生時代を思い出してみました。
今振り返ってみても、毎日とても濃い生活を送っていたと思います。
でも、その記憶は今や断片的なものとなっていることを実感しました。

懐かしいけど、なんか寂しい。
ほろ苦い感じがします。



タグ:江國 香織
posted by クロルデン at 13:30 | TrackBack(0) | 江國香織 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月01日

ホテルカクタス 江國 香織

舞台は、町外れにある、古びた、石造りのアパート
「ホテル カクタス」。

主人公は、3階に住む「帽子」、2階に住む「きゅうり」、1階に住む「数字の2」の「3人」。
3人は、あるきっかけで友達になる。
そんな3人の滑稽だが切ない日常を描く。

「人間」でない主人公達は、あまりに「人間臭い」。
その上、彼らの性格は三者三様、まるで異なるものである。
酒飲みで賭け事好きな帽子、真面目な体育会系のきゅうり、繊細で内気な数字の2。
判り易くキャラクターが立った3名の友情は、若干ありきたりではあるものの、胸を熱くさせる。

特に、エンディングにあたる178ページが、切ない読了感を残すとともに、作品全体のクオリティを大きく上げている。

江国香織流、極上の「大人の童話」といったところか。


私は、「怪しいもの、よくわからないもの」を、すべて「文学的ですね」と言い切ってしまう数字の2がお気に入り。



タグ:江國 香織
posted by クロルデン at 19:29 | TrackBack(0) | 江國香織 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月31日

すきまのおともだちたち 江國 香織

すきまのおともだちたち
なんというか、不思議なお話だけど
ほんわかした優しいお話でした。

薄いし、絵もあるからすぐ読めますよ!
夏の午後っていうよりも
冬の午後に紅茶でも飲みながら…っていう感じ。

私も昔はおんなのこのように
あるがままを受け入れられる子だったのかなぁ…?
と思いました。
素直って難しい!

旅っていうものは、帰る道と帰る場所があるから楽しいんだ、って。
確かにそうなのかもしれない。
深く考えた事はなかったけれど…



posted by クロルデン at 13:20 | TrackBack(0) | 江國香織 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

きらきらひかる 江國 香織

きらきらひかる
ホモの夫にアル中の妻。セックスレスでも傷つけあっても、離れられないふたり。;私たちは十日前に結婚した。しかし、私たちの結婚について説明するのは、おそろしくやっかいである――。笑子はアル中、睦月はホモで恋人あり。そんな二人はすべてを許しあって結婚した、はずだったのだが……。セックスレスの奇妙な夫婦関係から浮かび上る誠実、友情、そして恋愛とは? 傷つき傷つけられながらも、愛することを止められないすべての人に贈る、純度100%の恋愛小説。

愛ってなんだろうと思った時におすすめです。隣にいる人がどれだけ大切か再確認できると思います。



タグ:江國 香織
posted by クロルデン at 13:17 | TrackBack(1) | 江國香織 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

冷静と情熱のあいだ―Rosso 江國 香織

冷静と情熱のあいだ
辻仁成と江國香織が男女それぞれの立場で描く恋愛小説。
Bluは男の視点。
Rossoは女の視点。

あおいはというより女の人の多くは冷めやすいのかもしれない。あおいは切り替えが早いといえるかもしれない。

順正というより男の人の多くは引きずりやすいのかもしれない。順正はダメ男と言われるかもしれないけど、一人の人をとてつもなく愛せる人間だとも言えるのかなと思う。
結果論だけど。

フェデリカは言った。
『人の居場所なんてね、誰かの胸の中にしかないのよ』

そのとおりだ!と思わず共感。

BluもRossoもいい味出してます。
とにかくのめり込んだ。



タグ:江國 香織
posted by クロルデン at 13:10 | TrackBack(0) | 江國香織 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
人気ブログランキングへ人気ブログランキングへ人気ブログランキングへ
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。