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2009年09月16日

乱反射 貫井 徳郎

この著者の作品は初めて読みました。
夕方18時頃から読み出して、もう止められず。
気がつけば夕飯も食べずに、全516ページの、ぶ厚い本を、半日で一気に今読み終えました。 我ながらビックリです。 それほど「次が気になる」展開でした。
これ「週刊朝日」で連載されていた小説なんですね。
これを連載でとか、続きが気になって悶絶です。
私は一冊で読めてヨカッタです。

感想ですが。
ううーん。重い。
読後感は「どーん」と穴の底まで落ちる感じです。
たくさんの人の小さな「モラル違反」が連鎖して、2歳の子供を死なせてさせてしまったという話。 えらいリアルでした。登場人物が誰も特に悪人というわけでもなく、現実にいそうな人ばかりですからね。でも、いろんな人のささいな行動が連鎖して、こんなことが起きてしまう。ありえる話なので、愕然とします。
私も「自分くらい、いいや」と思ってないか?
モラル違反、やらかしてないか?
と、背筋が寒くなる小説でした。
まったく一点の罪もない生き方なんて、おそらくムリだけど。
せめて明日からは意識的に「自分くらい、いいや」なんてモラル違反は止めるようにします


乱反射

ラベル:貫井 徳郎
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2009年07月21日

コンセント 田口 ランディ

コンセント
切れる本。

コンセント、アンテナ、モザイク。
順番は忘れたが、この3部作、究極のトランス小説だと思う。トランスする過程は言葉ではとても表現できない。

高揚感。

ところが、なぜか脳の奥底では「理解している」感覚が残る。『共感』とかなんとか、そういう安っぽい次元の話ではなく、外から来たはずの言葉なのに、なぜか「自分の中に帰ってきた」ように感じてしまう。

自分が生きている世界も、コミットしている仕事も、住んでいる街も、地下鉄の独特の不快感も、全てがどうでもいいことのように思えてくる。似たような感覚を、音楽で体感したことがあって、アンダーワールドのライブとか、DJ YODAのプレイとかがそうだったのを思い出した。そう、この小説は「快楽・娯楽の疑似体験」ではなく、「快楽そのもの」を読者に提供している。快楽にはまると人間はそれをむさぼらずにはいられない。俺も、コンセント以降、むさぼるようにモザイクとアンテナを読んだ。没頭している間、それは俺にとっての快楽そのものだった。
読み終わった後、充実感もカタルシスも無く、ただ快楽がなくなったという空虚さだけが残る。

「乖離」というものに近いところにいる人には、とても受け入れやすい小説だと思う。


コンセント (幻冬舎文庫)




ラベル:田口 ランディ
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2009年07月11日

ホームレス中学生 麒麟・田村裕

ホームレス中学生
軽〜〜い気持ちで本をパラパラ

題名は<ホムレス中学生>
麒麟という名の お笑いコンビの一人のお話です。

バラエティ番組で 何度か見ていましたし この人の
中学生の頃の 悲惨なお話は ネタにもされていたので
少しは知っていました。でも まあ ネタだし
大げさに 面白おかしく 広げているのだろうと
思っていました・・が 泣けちゃいました

というより ここんチのお父さん!!
無責任過ぎ 激怒です

まだ 読んでいない人のために少しだけ 
紹介しておきますネ

作者 田村クンが中学2年生の時
1学期の終業式を終えて 学校から帰ってきたら
家の入り口に『 差し押さえ 』のテープが貼ってあり
家具が外に出されていました。
何が何だかわからない田村クン
お兄ちゃんとお姉ちゃんも帰ってきて 子供3人が呆然と
していると そこへお父さんが・・
お父さんは子供達に 唐突に『 厳しいとは思いますが
これからは各々がんばって生きてください・・ 解散!!』
と告げてどこかへ立ち去って行きました。
その日から1ヶ月弱 田村クンは近くの 公園に
所持金もなく寝泊りするのですが・・


こんな感じで お話は続きます。

それから この田村クンは お兄ちゃん お姉ちゃんと
いろいろな 善意の人達によって
無事高校を卒業 お笑いタレントの道に進みます

この本の後日談として 10何年行方の判らなかった
お父さんと再会したドキュメントをテレビで見ました。
その時は 本を読んでいなかったので 単純に
良かった良かったと思いましたが 改めて事情を知ると
この お父さんは許されるべきじゃないと思います。

田村クンは 純粋すぎて 幼い。
今 成功して生活に余裕があるといっても すぐに
一緒に暮らそうとか お金を融通するのは 絶対
やめた方がいいよ!!


ホームレス中学生

ラベル:麒麟・田村裕
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2009年05月12日

新世界より 貴志 祐介

人々が呪力という超能力を身に付け生きる
一見平穏な遠い未来の御話。

しかし、いつのまにか消えていく同級生や
悪鬼・業魔といった恐ろしい伝承に隠された秘密・・

平穏な世界のベールが剥がれたとき、
子供たちは・・

***

いつの時代も、起こることは結局同じなのかもしれない。

力を持つものと持たないもの。
その間の争いは避けられないのかもしれない。

それでも日々、良かれと思って人々が力を使い、
驕らず力を恐れ、生きていく限り、
明るい未来があると信じたい。

そして、知識というのもまた、圧倒的な力を持つ。
ミュータント(変異型)を作り出せるとか
そういった生物学的知識が日々発展する今、
まさに知識は力。

一度手に入れた力を放棄することは難しい。
人類が知識に飲み込まれうるという危惧を忘れてはならないと
改めて感じさせらる作品だ。

新世界より 上
新世界より 下
新世界より 上
新世界より 下




ラベル:貴志 祐介
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2009年04月01日

天使と悪魔 ダン・ブラウン, 越前 敏弥

『ダ・ヴィンチ・コード』のラングドン・シリーズ第一作目でして
ハーヴァード大の図像学者ラングドンは
スイスの科学研究所長から電話を受け、ある紋章についての説明を求められる
それは十七世紀にガリレオが創設した
科学者たちの秘密結社“イルミナティ”の伝説の紋章だった
紋章は男の死体の胸に焼印として押されていたのだという
殺された男は、最近極秘のうちに大量反物質の生成に成功した科学者だった
反物質はすでに殺人者に盗まれ、密かにヴァチカンに持込まれていた

『ダ・ヴィンチ・コード』よりも内容的には面白かったように思います♪
殺され方がちと残酷ですが 笑
スピード感や謎解きなどはなかなかのものでした
3巻も読めるかな・・・っと危惧しておりましたが
なんとか読み終えました♪
面白かったです







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2009年03月31日

右岸 辻 仁成

福岡で隣同士に住んでいた九と茉莉。

不思議な力を授かりながら、
人を救うことができず苦しむ九。
放浪の後、パリで最愛の女性・ネネに出会うが、
いつも心の片隅には茉莉がいて・・・。

辻仁成と江國香織のコラボレーション。
祖父江九の人生について書かれた『右岸』から
読んでみました。

度重なる身近な人の死と
超能力を持って生まれたが故に狂っていく九の人生。

読んでいてすごくもどかしくなるところがたくさんありました。

江國香織の『左岸』を読むことで
『右岸』の面白さが増す気がします



ラベル:辻 仁成
posted by クロルデン at 13:04 | TrackBack(0) | た行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月25日

婚礼、葬礼、その他 津村 記久子

冠婚葬祭ってひとくくりにされるけれど、その実、全然違うものなんだよね。
人生の一連の流れに組み込まれているといえども。

人一人死んでるんだけれども、めっちゃお腹がすいている。
そうだよなー。
そうなんだよなー。
生きることと死ぬことはあまりにもかけ離れている。
でもそれが一つの直線上にあるという不思議。

同時収録の「冷たい十字路」はちょい微妙だったかも。
「地下鉄の叙情詩」(「アレグリアと仕事はできない」に収録)と同じ形態をとっているのでなおさら。
何となく煮え切らんかなぁ、と。
もうちょっと続きが欲しかったな。

しかし、最近一気に彼女の本置かれだしたなあ、本屋に。
芥川賞恐るべし。


ラベル:津村 記久子
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神様のいない日本シリーズ 田中 慎弥

「聞こえるか、香折。父さんは廊下に座って話をする。」

と、部屋に閉じこもってしまった息子の香折に語り手の父親が語りかけるところから始まる物語、というか物語自体が全て語りかけの内容。

タイトル通り「野球」と「ゴドーを待ちながら」が鍵を握っていて、男子のツボをうまい具合におさえています。

49ページあたりから胸が熱くなる!

「あの頃は、まず、阪神の掛布。打席に立つと片手でヘルメットとか、バットを持っている方の手首とか、ユニフォームの胸許とか、いろんなところを触ってから構えに入る。まるでブロックサインを出してでもいるみたいだったな。ボールを引きつける時の、右足の小刻みなステップ。ヤクルトの八重樫は極端なオープンスタンス。ヤクルトにはダウンスイングの杉浦もいた・・・」って感じで延々と続いていきます。

例えば119ページ「東尾はえげつないピッチャーだった。シュートでバッターの懐を抉るし、時には頭の知くを狙って投げてくる。牽制はボークぎりぎり、というかほとんどボークそのもの。態度もふてぶてしい。その点、同じパ・リーグの落合に似ていた・・・」

奇跡は起きるのか?神様は現れるのか?そもそも香折はいるのか?


ラベル:田中 慎弥
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2009年02月28日

黒百合 多島 斗志之

メインとなる1952年夏の六甲山での少年少女の淡い恋物語とその合間に挟まれる過去のストーリー。この過去のストーリーのうち、相田真千子の話はナチスの隊員も行き来しているベルリンが舞台。最近『朗読者』を読んだばかりだったからか情景と雰囲気がありありとイメージできて一気に引き込まれてしまいました。

ミステリということなんだけど、そのような素振りは全く見せなくて、淡々とストーリーは進んでいくんですよね。お友達は大絶賛しているし、いったいこれからどうなるんだろう?と弥が上にも期待は高まっていきます。そして作中で語られる死。そして読み終わっての最初の感想は、少し引っかかりを感じながらも、ふ〜ん、だけでした。(^^;

もう夜中だったので気になりつつも寝たのですが、朝になってから何度も読み返して引っかかっていた部分が分かってからは、見えていた景色ががらっと180度変わってしまいました。これはすごい!傑作ですよ!すぐに気づかなかった自分のへっぽこぶりに呆れてしまいましたわ〜(^^;ゞ

あれもこれもとミスリードの嵐でした。ミステリと思わせず色々な箇所に伏線をそっと散りばめてあって、ごくごく普通の文芸作品の様相を呈していたのに・・・今まで読んできたミステリで、こんなにも上品で優雅にミスリードしてくる作品ってなかったので、すっかり作者の手のひらの上でコロコロ転がされてしまいました。(笑)
読み終わった直後は、なんで皆が絶賛しているのかわからなかったのですが、これは本当に凄いわ〜

過去のストーリーが挿入されることで、時空が交錯していくかのようなややこしさが心地よくも感じたのですが、六甲の別荘に住む少女 香の家族関係はちょっと無意味にややこしくしすぎていたような気がしないでもないですが・・・(人物表のようなものがあったらよかった。)
何を書いてもネタバレしてしまいそうで、突っ込んだ事が書けないのですが、こうもでかでかとヒントを提示されていたのに最後まで気づかなかったわ〜やられた〜

黒百合

ラベル:多島 斗志之
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悼む人 天童 荒太

なんか
すごい。
感情移入しすぎて事件の場所や亡くなった方の夢を見てしまいました。
始めは読んでいてグロテスクな印象を持ってしまいましたが読んでいくうちに人間の愚かさや心の脆さ、いろいろな愛の形を感じ取れました。
読みがいのある一冊です。

誰を愛し誰に愛され誰に感謝されていたか。

簡単なようで難しい。

この三つ。

誰でも生きていれば味わうであろう周りの人の死。

特別じゃない人なんて居ない。
みんな特別な人なんです。

ニュースなどで心が痛むニュースも結局は忘れている自分がいる現実。

自分が誰かの特別であるって考えたら前向きに自然となってしまう。
そして出会った人を大切にしようと思います。


悼む人

ラベル:天童 荒太
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2009年02月10日

ポトスライムの舟 津村 記久子

芥川賞受賞作。

今まで読んだヤツの中では最も淡々としている気がする。
30前後の女の人にはすごく共感できる小説だと思う。
周りに結婚してる友達がいて、彼女は子供なんかもいたりして、学生の時とは全然別の世界を築いていたりする。かたや、ひとりで頑張っている友達もいて、離婚の危機を迎えている友達もいたりして。
その中で自分は、仕事に行って、お金を貯めて。

自分の時間がないことに安心していた。
ってのは何かわかる気がした。
多分、この微妙な年代の焦燥感?というのかな。
そんな感じ。
でも、希望はある。
具体的な形をとっていないとしても。

同時収録の「十二月の窓辺」のが私的には好き。
でもこれはえぐいです。
精神的に。

行き所のない怒りというか焦燥というか。
「大人である」ということの生きにくさというか。

大人はもっとちゃんとしているものだと思ってた。
ってのは確かにあるなと。
結局本質的にかわらないんやなと。
でも大人やから、責任とかなんとかいろんなものがついてくるわけで。
そんながんじがらめな感じかな。


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2008年06月13日

カラマーゾフの兄弟 ドストエフスキー, 亀山 郁夫

久々にレビューします。

好きな作家をあげろと言われたら僕は村上春樹と答えます。その村上春樹が人生で巡り会ったもっとも重要な本3冊が
『グレートギャツビー』
『ロング・グッドバイ』
『カラマーゾフの兄弟』
となりゃもう読むしかない(笑)

ドストエフスキーの作品は以前に『罪と罰』を読んだ。強烈な個性と流れるような活字がとても印象的で、それがまた味わえると思うととてもわくわくする。

一巻はまだ序章です。最後まで読んだらしっかりレビューします。










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2007年03月31日

冷静と情熱のあいだ―Blu 辻 仁成

冷静と情熱のあいだ
最後のつくりかたがうまくて、途中の退屈さが抜けてしまいました。やっぱラストシーンって重要。。。

どうしても中山美穂を思い出しながら読んでしまう私でありますが・・・世界をまたにかけながらなぜか日本人ばかりでてくる話ではありますが。。。

あおいバージョンを読まずとも、こちらだけでも完結してるのはまあテクニックだなあと。

なおかつ、、この順正のひきずる気持ちに共感はだれでもできるんじゃないですかね。。というか共感はしましたね。

芸術家はしがらみから離れなきゃ本物になれないっていう叔母の台詞も妙に共感しましたね。。

(ここからはラストにかかわるネタバレかも)
「あおいバージョン」のほうはまだ読んでないし映画もみてないっすが、大体想像がついた。。。あおいは苦悩の日々があり、順正に賭けてなにかを決意しにドゥオモにきたが、最後の順正のあの言葉で2日目の夜にふんぎったんだろうなと、、、交代の連載だと確かに最後のお互いバージョンを読みたくなるだろうけど途中はどうだったんでしょう?!別々の物語として想像の余韻を残したままでもいいような。。。


・・・・と書いてから「赤」走りよみしました。なにかを決意しに、っていうドラマティックな展開でなくて予想に反し淡々展開でしたね。
ハッピーエンドになるのがちょっとできすぎだなあ。
映画はさらにできすぎているらしいし。

んでもその途中途中の描写は連載ものとしてやっぱ成功してたんだろーな。



ラベル:辻 仁成
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