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2010年02月13日

石鹸オペラ 清野 かほり

読んでて切ないキモチになるのは何でだろぅ
「あたしは自分で自分を売り飛ばしたの」
強気で儚げな女の子がほっておけなくて一気に読めた
意外に良かった。
ヒリヒリするような、孤独感とか。
本当に好きになってしまうと
失うことが怖くなっちゃって
全然違うほうへ、流れていくことに
どうしようもできなかったりする感じとか。


石鹸オペラ


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2009年10月20日

裁判長!ここは懲役4年でどうすか 北尾 トロ

裁判長!ここは懲役4年でどうすか
たとえば、相続争いで兄を殺した人。
『実刑は免れないところだが、少しでも軽くしようと母が証言台に立つ。弁護士も熱弁を振るい、本人も反省の言葉を口にした。……しかし、うなだれてみせた男のTシャツには真っ赤な文字がプリントされているのだ。
<Love & Peace>
何なんだこれは。……なぜ今日という日にこのTシャツを着たかね。……母も泣きじゃくるほど心配なら、まともな服を差し入れしたらどうなんだ。』

ほかにも、殺人罪で起訴された人。
『かなり神妙な雰囲気で「すみませんでした」と裁判長に頭を下げる。だが、その背中でひょうきんなポーズを取っているのはシンプソン・ファミリーのキャラクター。途端に信憑性が疑われる。』

人の人生を左右する裁判を面白半分で傍聴していいのか、って批判する人もいるだろうけど、単純に自分の戒めとして見るのもいいと思う。
交通事故の過失致死裁判を見たら、怖くて運転できなくなるって書いてあった。
裁判って、そんな間近に、私達の生活と紙一重的な所にいるんだね。

この人のいい所は、あくまでいち一般人としての目線で裁判を見て、感じたことをそのまま書いているということかな。

裁判長!ここは懲役4年でどうすか (文春文庫)

タグ:北尾 トロ
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2009年10月01日

鷺と雪 北村 薫

ベッキーさんシリーズ。
昭和初期、東京に住み女子学習院に通う英子と英子の専属運転手である別宮。
二人が身の回りで起こる謎を解いていく。

今回この作品を読み始める前にちょうど直木賞の候補として発表され嬉しくなった。

読み始めベッキーさんシリーズと知らずにいたため以前読んだときと混同しデジャブのように感じてしまった。
この前イッセー尾形氏の「これからの生活」をみたせいか「デジャブだわ〜」なんてセリフが頭に浮かぶ…。

感想が脱線してしまったが北原白秋や芥川、川端と文豪の名前があがる度なんだか頬がゆるむ。
歴史には疎いが作家の名前をみるとその作家の作品と背景をを読み返したり調べたくなる。


時代の流れや過ぎた時間の尊さ、なんともいえない空気感が心地よい。

ベッキーさんの「別宮には何にも出来ないのです―」の言葉が頭に残る。

直木賞受賞しました。


鷺と雪

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2009年07月27日

しろいうさぎとくろいうさぎ ガース・ウイリアムズ, まつおか きょうこ

「…Forever & Always 」(原文より)

幼い頃読んで、本屋で今日たまたま再会した絵本です。
内容は、白いうさぎと黒いうさぎのとてもかわいらしいラブストーリー。

2羽のうさぎはとても仲良しです。
いつも一緒にいて、遊んだりしてます。
でも黒いうさぎは、不意に切なくなるんです。
「彼」の願いのために…。

気持ちを言葉にして、伝える。
ただそれだけなのに、
どんなに難しいことか、
今さらになって良く分かるようになった、
僕には、黒いウサギの気持ちが痛いほど、
よく分かります。

気持ちを言葉にした時、
そして相手に伝わった時、
“変化”が訪れます。
まるで世界そのものが変わったみたいに。


幼い頃も好きだったけど、
今になって、もっと好きになりました。
子どもから大人まで、
心が温まる良い絵本だと思います。


しろいうさぎとくろいうさぎ (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)

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2009年07月19日

夕凪の街桜の国 こうの 史代

原爆が投下されて10年後の広島を舞台にした「夕凪の街」 過去のトラウマに苛まれながらも日々を生きている女性・平野皆実が主人公。勤め先の同僚・打越との淡い恋物語を描きつつも、原爆というあまりにも重過ぎる過去が今も彼女を苦しめ続ける。

その「夕凪の街」から時代を現代へとシフトしたのが「桜の国」だ。舞台は広島から東京(?)へと移り、主人公も皆実の姪に当たる石川七波に変わる。過去の悲劇からは時間も場所も遠く離れた彼女にも、やはり原爆は暗い影を落とす。

二つの時代を生きる女性を丁寧に描きながら、原爆とは何だったのか、原爆とは何かについて深く考えさせられる作品だ。テーマがテーマなだけに沈みがちなトーンを基調としている。しかし、この作品が輝いて見えるのは皆実と七波、そして彼女を取り囲む周りの人たちが懸命に生きた証だと思う。そして、どの時代にあっても変わることのない恋心や愛を作者の巧みな技量によって描いているからに違いない。

戦争や原爆を知らない私たちの世代にこそ、勧めたい一冊だ。

「わかっているのは『死ねばいい』と誰かに思われたということ」

「嬉しい?十年経ったけど原爆を落とした人はわたしを見て『やった!またひとり殺せた』とちゃんと思うてくれとる?」

主人公皆実の言葉が印象的でした・・・。

ホンマに心の奥深くに突き刺さります。



夕凪の街桜の国

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2009年07月18日

グロテスク 桐野 夏生

グロテスク....
その名の通りグロかった..。。。

人間の心のグロさ。読んでて苦しくなるようなとこもいっぱいあった。なんで苦しく目を背けたくなるのか?それはそれぞれの登場人物たちが抱える心のグロい部分や、、弱さ、寂しさ、虚しさみたいなものが私にもあるからだと思う。さすがに登場人物の気持ちが分からない部分はあったけど(分かりやすいように誇張してるんだと思ったけどあまりにもすごかった;)私にとっては自分の内面の汚い部分と向き合って自分を見つめ直すことができた本かも。自分にとっての幸せって何なのかな、、どういう生き方をしたいのかなって考えた。答えはでてないけど。。

上・下巻で構成されているので途中飽きてしまわないかと心配だったけど
スラスラ読めてしまいました。

主に一人称で進んでいくちょっと変わった書き方が主人公の性格を非常に良く引き出していたように感じました。

とてもじゃないけど明るくて楽しい話ではないのに、
「学園」や「会社」という狭い世界から全てを手に入れようとする執念や
初めから放棄する事によって全てを手に入れたかの様に振舞う卑屈さ
が怖いと思いながらもどんどん引き込まれていきました。

私は非常に落ち込んだ、読後。主人公が、和恵が、ユリ子が、自分ではないかと思ったからだ。でも、解説を読んで救われた。「多くの読者が、主人公や和恵のような要素が自分の中にあると気づかされる」と書いてあったからだ。笑っちゃうくらい、ほっとした。小説の解説を読んでほっとしたのははじめてだ。でもそれぐらい、特異な、ほんとに独特な世界が広がっている。

すごい作品だと思う。

桐野夏生、初めて読みましたが
別の本も読んでみようと思います。


グロテスク

タグ:桐野 夏生
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2009年05月11日

映画篇 金城 一紀

映画が絡む思いが詰まった5編の短編。

 連作短編集。最後の物語に出てくる『ローマの休日』にすべての物語がリンクしている。朱川湊さんの作品なんかでも良く見られる手法だ。

 まず、最初の作品を読み始めて、作家が在日だと知る。物語というよりも自分の思い出話を語るような話なのが、さらに興味をそそり、物語に没頭してしまう。全編映画の話に溢れているのも、映画好きには堪えられないであろう。私は最近からしか映画を見ていないが、それでも、あれも観たいこれも観たいという欲が湧いてくる。

 私が最も魅かれた物語は最後の『愛の泉』。おりこうさん家族の行儀の良い物語っぽくて、ちょっとひいてしまう設定ではあるのだが、物語なのだからいいじゃないかと寛容な気持ちで読み進む。かなりいい感じだ。というか文句なし。読後爽やかだ。

 初めて読む作家だったので、どんな人なのか調べてみると、やはり在日だった。『GO』という作品で直木賞。最近は作家というより脚本家として名が売れているらしい。ふーん、これからは要チェック。

 世の中に映画にまつわる物語は多い。私が前に読んだ本では『フリッカー、あるいは映画の魔』というのがあったが、これは面白いのか面白くないのかよく訳がわからないような物語だった。大変興味深い話ではあったが。そういう難解な本に比べると、読みやすいし、わかりやすいし、物語が比較的短いので取りかかりやすいのもいい。映画ファンには是非お勧めしたい1冊であることには間違いない。



映画篇





タグ:金城 一紀
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2009年05月01日

陰日向に咲く 劇団ひとり

とりあえず文庫化されたら、読みたいと思ってたので
早速買って読んでみた。
2日で読めた。

ハードカバー買わんでよかったわ。

内容には満足。

劇団ひとり大好きの私としては、
彼の世界観がひたすら続くことに満足だったのです。

雰囲気としては、ほわっと暖かい。
ストリッパーが出てきたり、
ホームレスが出てきたり、
ギャンブルで借金塗れだったり、、、
と内容はエゲツナイ妄想の世界。
なのにほのぼの。

そこがよかったね。

本編では、
ギャンブラーのとこが好き。

でも一番よかったのは、
ひとりの父の書評。

お父様の息子愛に電車で泣きそうなったわ。


陰日向に咲く (幻冬舎文庫)

タグ:劇団ひとり
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2009年04月27日

県庁の星 桂 望実

県職員と民間企業の人事交流研修で
スーパーで一年働くことになった野村。
エリート公務員の野村だったが
当然民間の現場では自分のそれまでのスキルが全く通用しない
何をしても空回りし、新たな職場で役立たずとして浮いていく。
教育係を受け持ったベテランパートの二宮泰子は
昔こそ理想を持って職場を変えようとしたこともあるが
今は半ば投げやりで仕事をこなしていた。
互いに気にくわない存在ではあったが、
次第にうち解け、現場と民間の「常識」を二宮は野村に教え
野村がそれを受け入れるようになると
うだつの上がらない店が人気店に生まれ変わる。

よくある、逆転サクセスストーリー。
そして実際にそれだけ。
今までのものとの差異も特徴も特にあるわけでもなく、
キャラもそこそこ個性はあるがそれほどでもなく
ストーリーの機転である泰子と野村の変化も
ポイントが微妙なのでドラマチックさがない。
何となく泰子が変わってそれで野村が変えて貰って。
そんな感じなので野村が変えた!っていう
気概のようなものを感じないないため、
最後の「永久欠番」も全然響いてこなかった。
女に騙された話は野村のどん底ぶりを出したかったのだろうが、蛇足。
展開も王道なのはいいとしても、
そうなんだ、そういう見方ややり方があるのか、
と思うものが殆ど無かった。
文章にしても二宮と泰子で視点を書き分けていたが、
泰子がサバサバな女性だったためか、
心中表現がキャラ的に結構被っていて書き分けが不十分。

ひたすらに読みやすかったのと、
痛快感はあるので合間に読むには良いのかも知れない。
公務員が現場を見ていないという部分は実際にあるし
問題提起になるのは良いと思う。
実際になっていたんだけれど、
こういう雰囲気は映像向けなんだろうと思った。


県庁の星 (幻冬舎文庫)

タグ:桂 望実
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2009年04月02日

チーム・バチスタの栄光 海堂 尊

■次々とバチスタ手術を成功させ、「ミスター・パーフェクト」と異名をとる外科医・桐生と、彼を支えるバチスタチーム。大学病院の看板だったそのチームが、立て続けに術死を出した。
 院長の命で調査に乗り出したのは、万年窓際講師の田口。そして、「火喰い鳥」と呼ばれる、厚生労働省の天才奇人・白鳥だった。
 白鳥は、これは医療事故ではなく、故意の殺人だと言い切るが、はたして真相は。(上下巻あわせて)

■序盤の台詞回しの説明くささには大笑いしたが、うん、読みやすく、一般受けしそうなミステリー。
 医療トリックなんで、知識がない者は、推理のしようもない。真相に「ふーん、そうなんだ」と言うしかないあたり、謎解きというより、サスペンスだと思う。
 関係者の供述を次々聞いていくうち、真相がわかっていく手法は、捜査そのままで面白い。キャラも漫画的ではあるが、立っている。
 軽すぎかな?という気もするが、サクサク読めて、楽しめる一冊だった。






タグ:海堂 尊
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2009年03月25日

中陰の花 玄侑 宗久

水子はとても悲しいです。
お腹の中である日突然命を得て、ひっそりと死ぬ、あるいは引きおろされるちいさな子ども。

まだ形にもならない命のかたまりを金属の棒で掻き出されて、母親は泣くのです。

そのときの女性は確かに母親です。
産んでいなくとも、子をもつ母親です。

でも子どもを実際に体で感じたことのない父親はパートナーのことを母親とは見ませんし、見たくないのです。

子どもの残した影は母親だけが生涯抱え続けるのでしょう・・・・・・



水子に対する夫婦間の意識のずれがクリアーに描き出された芥川賞受賞作の「中陰の花」を読んで、改めて母親と言うものの原始的な感覚を思い出しました。なんて、まだ母親にもなってませんが(^^;)

残念なのはこの作品、解説にもあとがきにも水子について一切ふれていないのです。

やはり水子は忘れられる存在なのでしょうか。

私が文庫版しか読んでいないために見落としているのかもしれませんが、どうしても作者も解説者も男性であることとつなげて考えてしまいます。

忘れ去られる存在である水子と、そんな水子の記憶をこの世にひきとどめておこうと心を痛める母親…
やっぱり水子は悲しいです。


タグ:玄侑 宗久
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女の庭 鹿島田 真希

やっていることは主婦にちがいないのだけど、
子供がいないため井戸端会議で取り残されるように
感じてしまう。そんな主人公の隣の部屋に独身で金髪の
<外国人>がこしてくる。彼女の行動を観察し、頭の中で噂話をする。
井戸端会議で彼女に悪い噂がたてば黙って聞くことを楽しむ。
彼女の行動へ違和感をしめしながら、
「外国」にすむ女を自分とかさねる。
自分で選んだはずなのに「なぜここにいるのか」という
感じてはいけないような理不尽さを感じる「主婦」という人生。
来るまでわからなかった、こんな場所だったのか。
自分はもっとうまくやるのだと思い込んでいた。
外国の女は夜中に公園でワインをらっぱ飲みし、
主人公はその姿をみて静かになくだけ。

自分で選びながら「思ったようにいかない」こと。
専業とか兼業とかあまり意味がないくらい、いろんな事情の上に生きる「主婦」を
モチーフに選んだのはすごいと思う。「外国人」との自分の違和感の対比は
「外国人」を外から、遠くからしか観察したことのない人にはアリ、なのかもしれない。
そこにリアリティがあるともいえる。だけどわたしにはちょっとくどい。説明的すぎるなとも思った。

しかし昼ドラのあらすじが続くくだりはうまい。それだけでだらだら見入ってる主人公がみえてくる。


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2009年03月18日

なんとなくな日々 川上 弘美

「なんとなく」ということばの、
心もとない感じがとても好きだ。

著者の、力みのない、マイペースな日々を綴ったエッセイ。
美術館に行こうとしたにも関わらず、
ラーメン屋や喫茶店に寄り道
美術館に着く頃には疲れてしまい
そこそこにしか鑑賞できず
とぼとぼと帰路へつく…(なんとなくな日々8)

朝から晩まで予定がびっしり、
お休みなんだし出かけなければ…
というタイプの方には微妙だろう。

個人的には、
小学生と語らい、牛乳とお煎餅を共に食すような大人に憧れました。



タグ:川上 弘美
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2009年02月12日

学びをつむぐ―「協働」が育む教室の絆 金子 奨

「ひとは、その存在を他者に与えられている」
ひとは他人の目を気にせずにはいられない。一人ずつ沈黙の下勉強するのでは、家や塾で勉強しているのと同じです。

「特別意味のないものの貸し借り」が生徒達の活動の潤滑油になっている、と書いてありました。
忘れ物をしている生徒は、もしかしたら他の生徒とコミュニケーションが取りたいのかもしれない。

 『授業は「教材」「他人とのかかわり」「自分自身」の3つから構成される。』
『分かることが、分からなさから分からなさへの通過点に過ぎないのだという感覚を獲得する。』

参考になる言葉がたくさんありました。
精進しなければ、と思わせられる一冊です。


タグ:金子 奨
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2008年10月27日

ひかりの剣 海堂 尊

『チームバチスタの栄光』の舞台でおなじみの東城大と帝華大。『ジェネラル・ルージュの凱旋』の天才外科医・速水晃一は「東城大の虎」とよばれた剣道部主将だった。かたや、「帝華大の伏龍」とよばれた清川。二人のあいだには、医鷲旗(東日本医科学生体育大会の剣道部の優勝旗)をめぐる伝説の闘いがあった。

『ジェネラル…』の速水センセと、『ジーン・ワルツ』の清川センセの、学生時代の剣道物語。
ブラックペアンのエピソードも、ちょっぴり絡んで、田口センセや島津センセも出てきて、ニヤリって感じ。

高階院長は、昔から狸だったんだね。

ま、フツーに青春小説です。


タグ:海堂 尊
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2008年06月16日

幼年期の終わり クラーク, 池田 真紀子

アーサー・C・クラーク死去
今年の重大ニュースの一つと言えよう
その影響もあってか、『幼年期の終わり』は大学読書人大賞を獲得している
元々『幼年期の終わり』は、ハヤカワ書房から刊行されていたが、本書はその新訳版−新約版−である

ざっと、概要を挙げると…
人類を保護観察する存在、オーヴァーロードの出現
彼らを統べる全知全能の神の如き、オーヴァーマインド
多彩な人物達の「未知との遭遇」
終末へ向かう世界
変革する人類
こんな言葉の数々が、思い浮かんだ

以後のSF作品に、多大なる影響を与えた本作
影響を受けている作品の一つに、『新世紀エヴァンゲリオン』が挙げられる
人類補完計画の意義と世界観
それはまさしく、『幼年期の終わり』のクライマックスである

全く無駄のない流暢な文
帯には「哲学小説」と書かれているが、決して分かりにくいものではなかった
人類が新しいステップを踏み出し、星を昇華させる
何とも恐ろしく、何とも壮麗なシーンである
クラークが本作を執筆したのは、およそ半世紀前
手塚治虫と同様、彼の創造性・神秘性には「感動」の一言だった
旧訳版との比較も面白いはずだ

一期一会と言う言葉は、本書によく合う
これ程壮大で、至福の感を味わえる作品に会えた
クラークは、もうどこか遠くへ行ってしまった
だが、クラークの心は、いつもこの本の中にある…

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2008年06月15日

雪とパイナップル 鎌田 実, 唐仁原 教久

著者は諏訪中央病院の医師でありこのノンフィクション絵本を「大人の絵本」と位置づけている。

チェルノブイリの放射能汚染で白血病になった少年アンドレイと、日本からきた若い看護師ヤヨイとの心の交流を、ベラルーシの美しい自然を背景に描いた絵本。

医療設備の遅れたこの土地での闘病生活する少年が食べたいと言った「パイナップル」を探しに看護士ヤヨイが町中を探し回り、やっと見つけた缶詰を食べた少年が一時的に食事を取れるようなったことを母親が筆者に感謝して話してくれたくだりは感動。

日本は広島と長崎の原爆。ベラルーシは原発事故。
どちらも全く無関係の無力な人たちが犠牲になり次々死んでいった。
筆者の『命』とは・・という問いかけをこの本を通じて
強く語っている。


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2008年06月12日

二つの月の記憶 岸田 今日子

岸田今日子さんの旅日記やエッセーが好きで
本書もその類のものだろうと思って買ったが
7つの短編小説だった…
岸田さんのイメージにしては意外なエロティックなお話が
あったり(P夫人の冒険)
実際の岸田さんの山小屋生活がだぶるお話があったり
(K村やすらぎの里)盛りだくさんの内容である。
それでも、オートバイの登場人物が話す美しい言葉遣い
などは、彼女の持つ品のよさがそのまま表れ出たような感じがする。
惜しくも亡くなられてもう新しい作品が読めなくなったのは本当に残念。
本書に使われている作田えつ子さんのイラストも
よかった。(私的には表紙の絵が好きです)


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『求めない』 加島祥造

あれもこれも手に入れたくてあせってたら出合った本。

向上心が強かったり貪欲だったりするのは今も大事だと思ってる。

でもこの本を読んで一回休憩してみるのもありかなって◎

求めなければがっかりしない。
求めなければ今あるものに感謝できる。

たまには立ち止まって自分を見つめなおす時間が大切だよね。

ただ、この内容で1300円+税は高いかも笑
でも疲れた心にすーっと入ってくる文章だとは思うな♪


タグ:加島祥造
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東京島  桐野 夏生

桐野夏生の新作。

タイトル付けも惹かれるが、もっと惹かれるのは帯。
「無人島に漂流した31人の男と1人の女。」

ああ、これを桐野氏が書くんだったら、これはもうすごいことになるだろうな…という予感のもと読んだら、やっぱり面白かった。
特別なグロさは期待していたほどないけど、独特の曲者を書くのがやっぱり上手だ。

実際、清子の立場になったらどうなるんだろうか…。
しかし、女は強いとはまさにこのこと。



フカフカのベッドで毎晩眠れて、美味しいご飯が食べられていることに感謝します。

タグ:桐野 夏生
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マンガ蟹工船―30分で読める…大学生のための 小林 多喜二

漫画自体はあまり悪くない。
 作画能力に関しては、確実に上手の部類に入ると思われる。
 一部の重要シーンが省略されているが、これも漫画化の際にはよくあることである。漫画と小説というメディアの違いを無視して原作に過度に忠実であるよりは余程良い。
 漫画の部分に関して批判したい箇所は、監督の書いた貼紙に誤字がなく、しかも新字体で書かれていたコマぐらいのものである。これは原作の無意味な改変であろう。漫画だからこそ出来る表現を殺してしまっており、時代考証の面においても穴がある。

 私が本当に糾弾したい第一の問題は、書名である。「大学生のための」という部分には、二重の差別がある。
 まず漫画への差別がある。如何なる文豪も文字では決して表現しきれないが漫画でなら普通の漫画家でも伝えられるメッセージというものも、確実に存在するはずだ。原作を読みこなせる大人が蟹工船の漫画を読んだり映画を観たりして何が悪いのかと思う。
 そして大学生差別でもある。ゆとり教育で育った大学生は労働者と違ってまだ子供だから漫画しか読めないだろうとでも言いたいのだろうか?

 第二に糾弾したい問題は、注釈についてである。
 注釈の中には、どう見ても義務教育を履修した者なら誰でも知っている程度の語彙の解説もあり、前述の大学生差別の疑いを一層濃厚にしている。
 それだけならまだ良い。偶然本書を手にした早熟な小中学生の役には立つであろうからだ。
 しかし120ページの【お釈迦様】の注釈に至っては、ふざけているとしか思えない。これに関しては、実際に自分の目で確かめていただきたい。



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2007年04月22日

イニシエーション・ラブ 乾 くるみ

イニシエーション・ラブ
代打で出席した合コンで、たっくんはマユに一目惚れしてしまった。
デートを重ねるごとに縮まる二人の距離。
そして二人は人生最高のクリスマスイブを過ごすことになる。
春になって地元企業に就職したたっくんだったが、東京への辞令を受けてしまう。
連距離恋愛になったふたりの間には次第に溝が生まれ始め・・・・


  必ず2度読みたくなる!
  最後から2行目で物語は全く違ったものに!

というレビューが多くて、これは面白い本に違いない!と思って読んでみた。

どういうどんでん返しが用意されているんだろう、とかなり丁寧に読んだので
途中で伏線に気づいてしまったのがちょっと残念だった。
でも、読者が作ったまとめサイトを見て、全く気付けていなかった伏線の数々に驚かされたよ^^;
とにかく作者のミスリードが上手で、まんまとそれにのせられてしまっていた。

ストーリー自体は悪く言ってしまうと、ただの恋愛小説。
でも、その話の隅々に張り巡らされた伏線とミスリードの罠、
そして最後の2行を読み終わったあとのアハ体験を味わうためにも読んでみる価値はある!
多くの人に再読したいと言わしめるだけのことはあるよ!

ちなみにこの小説、映画化やドラマ化が不可能なので小説でしか読めません。
なぜ不可能かって?
それは読んでみてのお楽しみ^^



イニシエーション・ラブ (文春文庫)

タグ:乾 くるみ
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2007年03月31日

だれかのいとしいひと 角田 光代

だれかのいとしいひと
表題作「だれかのいとしひと」を含めた8編の恋愛短編集。

個人的にはガッチガチの恋愛物語は好みじゃないけど、角田光代の書く恋愛小説はどこかぼんやりとしていて、特に今作はタイトルも表紙絵もそんな感じで好感が持てる。

失った愛、失う愛、ダメージを負った事。
それらマイナスのベクトルから、すべてスタートはするけど、そして状況は何も変わらないけど、その中で前向きに考えようと思う事を教えられた。「そこ」からどうするか、それは本人次第なんだと感じた。等身大の自分と向き合える小説。

どこにでも居る人たちの、どこにでもある話かもしれないけど、主人公たちの心にスッとシンクロ出来るんじゃないかと思う。
どこにでもある話だから共感も出来るし、出来ない話もある。でも、ドラマなんかより、現実の方がよっぽどドラマチックだったりする。

全編一人称で描かれていて感情移入はしやすいですよ。

ところで、この作家はエッセイも秀逸なわけだが、前に出版したエッセイの中にあった話がモデルになっていると思われる話も出てくる。エッセイもおススメ!

「好きなんて気持ちがなければいい。だれかがだれかを好きになるという気持ちがなければ、あたしたちは恋だの愛だの友情だの、そんなものを何ひとつ知らないこどもみたいに、いつまでもひっついてじゃれあって暮らしていけるのに」 本文85ページより



タグ:角田 光代
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太陽と毒ぐも 角田 光代

太陽と毒ぐも
風呂に入らないで平気な女がいるなんて考えたこともなかった。

働かない男と同棲する女、万引き癖のある女と同棲するヒモ同然の男、風呂に入らない女と付き合う会社員男性、うそつきな男と付き合う女、酒豪・酒乱の女。性癖、習慣によって引き起こされる亀裂と、それでも愛するべきか悩む主人公たちの短編集。

読んでいると、人事ではないと思ってしまうような、気づかされたような、何とも後味がよろしくない。実にリアルだと思う。その時の感情はまさに私ではないかと思ってしまうほどだった。この作品の後書きに「だれかを好きになって、相手もこちらを好いてくれて、とりあえず関係性としてはハッピーエンド。そのだらだら続くしあわせな恋人たちの日常を書いた」と角田光代氏は語っていますが、正直驚きました。ハッピーエンドで終わっていたのだろうか。どの作品も、未来がある終わり方をしているとは思えなかった。確かにその場の感情を上手く抑えられた形で終わってはいる。しかし相手の我慢があってこその形だったとも思う。それとも実は、今まで嫌だ嫌だと思っていた相手の性癖までも、いずれ愛すようになるという事を伝えたかったのだろうか。謎だ。



タグ:角田 光代
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東京ゲスト・ハウス 角田 光代

東京ゲスト・ハウス
旅と出会いの話。
旅さきで出会った人たちと共同生活
することになった主人公のアキオの
帰国後の所在地不明な気持ちと、
共同生活にいつの間にか入り込んでたミカコの
「人はだれもだれのことをも所有できないって
ことなの」っていう言葉も
「本当につながってたら、半年後でも一年後でも
会えるよ、会えないわけないよ」っていう
アキオの言葉も、すごく自分に響いた。
読み終わると朝日を浴びたようなさわやかな
気分になる。それは彼らが旅の余韻から
新たな旅立ちをしたからなんだと思う。
個人的にゲストハウスのホストの
暮林さんが旅立ちの時、アキオに携帯電話を
渡すところはすごくかっこいい。



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posted by クロルデン at 12:47 | TrackBack(0) | か行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

いつも旅のなか 角田 光代

いつも旅のなか
小心者の角田さんが、自分を奮い立たせて旅に出る様子が笑えた。私も一人旅が好きなのですが、こんなに臆病なバックパッカーは初めて。(笑)その性格ゆえのこまごまとしたエピソードに、角田さんの人柄の良さを感じた。特に冒険をするわけでなし、精力的に歩き回るわけでなし、ひどく感傷的・・・というわけでもない。正直、起伏の浅い旅内容なのだが、わりと面白く読めてしまう。なんとなく、小津映画のスローなカメラワークに吸い込まれる時に似ている。
「どうしてもいきたいと思うところへいかない、どうしても見たいと思うものを見ない、というのは、私にとって、何か、生きていくことの細部を一個ずつあきらめていくことに通じている。」
という箇所には非常に共感できた。とても上手く書けているなあと感心した。(当たり前だ。直木賞作家だよ。)そんな風に共感できる文章がやはりスローに書き綴られており、そこが面白く読ませる力になっているのかなあと感じたりした。



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posted by クロルデン at 12:40 | TrackBack(0) | か行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ちいさな幸福 角田 光代

ちいさな幸福
「今までで一番印象に残っているデートって、何ですか?」

心に残っているデートというのは
ディズニーランドに行った!とか
ヘリコプターで夜景を見た!とか、大きなものではなくて、
天気のいい日に公園のベンチでパンを食べた、とか
川縁に座って日が暮れるまで語り合った、とか
小さくて地味なデートが多いのでしょう。
ま、わたしは彼にディズニーランドに連れてってもらったことも、
ヘリコプターに乗せてもらったこともないけどね!

あとがきにもあるように、
“日常のひとこまのような、ちいさないとしい時間”をだれもが持っていて、
無駄なような無駄でないような、そんな時間がいちばん幸福なのだと思います。
「すてきなデートというものはその人ともうひとりがいるからこそすてきなのであって、同じことを違う人がやってもすてきにはなり得ない。どんな人も自分のデートに自信を持っていいのである。あるいは、自分の恋に、恋した人との時間に。」

大きさではなく、その時幸福であるならば、
それがいちばんなのです。

デートに順位はつけられませんが、
みなさんもこれまでのデートを思い出して
なんとも甘酸っぱい気持ちになりましょう。



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今、何してる? 角田 光代

今、何してる?
エッセイというか
押し付けがましくない人生観恋愛観というか

個人的に、恋愛とはこうである!とか
こうしなきゃ女はだめ!とか
このように生きるべきであるとか
人生系でも恋愛系でも
自己啓発本はすごく好きではない・・・
というか、偏見と敬遠してるんですけれど
角田さんが好きなんで買ってみました

こういうのに著者の思想に染まるような
どっぷりと影響うけるのはイヤで、
なんとなく警戒しながら読んでて

けどやっぱり小説が好きってことは
その人が生活してて考えることも好き
ということが多いのは
例外はあるけど当たりまえであって

ぐだぐだと語りつつも
結局は当たりまえのことをいっているのですが・・・

角田さんのそうさせる雰囲気が好きなんだけど
静かに、けれど激しく同感してしまいそうで
すこしこわかったです

考える内容に違いはあれど、
(というか、わたしなんてまだまだ未熟で)
テンションや早さはとてもわたしと
沿っている感じをうけた本でした
(ああなんか傲慢ないいかたしかできない!)


具体的な例やたくさんの本の紹介で
良い意味なものをとてもたくさん
あとに残してくれる作品です

角田光代さん自身がすきになりました



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愛してるなんていうわけないだろ 角田 光代

愛してるなんていうわけないだろ
何ていうか、元気出る。
読んでしまっても所有していたい、と思わせる本。
すっごい素直なエッセイです。
この素直さはむしろブログとか、日記に近い。

角田女史の本は結構どれも好きです。
でも一番好きなのは小説ではなくこの本。
共感できるものって人それぞれだと思うけれど、
私の場合はこのノリが非常に自分に近い、と感じます。
何よりもまずタイトルにヤられる。
女の子(そういう歳でもないだろ…汗)として持っていたい
強さ、可愛らしさ、優しさとかがこの一言に集約されてる。

内容は彼女の恋愛観であるとか、彼女に起こった諸々の出来事。
こうやって書くと巷に溢れてる凡百のエッセイと同じように聞こえるけれど、
彼女の本の凄いところは(どれでもそうだけど)
ただの共感じゃ終わらないって事。
一緒に嬉しくなって、哀しくなって、

最後、読み終わってしん。とした気持ちになる。

どうぞ、貴方も味わって。
この本に対する感想も、反感も要りません。
唯、読んで欲しい。
受け取るのは貴方だから。
何か、新しい何かが胸の奥に生まれる気がしたら、
本を閉じてから少しだけ目を閉じていてください。



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空中庭園 角田 光代

空中庭園
駅伝方式の本です。
ある家族の、それぞれから見た日常を切り取った物語。
「秘密は持たない」という取り決めを作ってうわべだけの秩序を保っている、そんなある家族の物語。

こうして私が文章にしてしまうとなんだかものすごく陳腐な話に聞こえてしまうかもしれないけど、そんなことはないです。
無理がないというかなんというか。不自然さとかがない。全然ない。

どんな角度から見たってグロテスクなものを持っている人の集まりにしか見えないのに、真ん中だけ(うわべというよりは“真ん中”って感じがする。)、明るい理想の集まりになってる。
背中に見えない「秘密の扉」を抱えて、それでもみんな微笑んでる。

…読んでてすごくこわくなった。




巻末の解説をした石田衣良も書いてたんだけど、
『対岸の彼女』は話口調が明るくて結末にも希望がある。
でも『空中庭園』はまったく逆。結末にも希望はない。どっちかっていうと、もっと崩れていってしまうような気さえする。「どうしようもない」という言葉がピッタリ。かぱかぱに乾いた、絶望。

どっちも書けるんだぁ。すごいな。多方面への感受性が強いんだろうな。
確かに、どっちか読んだらもう一方も読むべきだとは思う。
直木賞候補にも選ばれた作品、『空中庭園』。




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恋をしよう。夢をみよう。旅にでよう。角田 光代

恋をしよう。夢をみよう。旅にでよう。
角田光代さんの短編エッセイ集。
どの章も短くて日常に転がってる話題をかき集めたものでテンポ良く気楽に読める。

『あなたの真理は何ですか?』
『部屋話と恋人話、関係あると思わない?』
『あなたは狩猟型?農耕型?』
『学んだことを覚えていますか?』
『話しかけてくるのは誰?』

の章は特に目から鱗でした。


どんなに想っていても、縁に恵まれなければ結ばれる事はないのかなぁ。
・男のどこにぐっとくる?(手がその人の本質を‥ってとこ)
・あなたの基本設定は?(私は角田さんと同じくゆるいな・・)
・部屋話と恋人話、関係あると思わない?(あるかも!)
・恋人との初デートを覚えてる?(良くも悪くもイタいお話)
・社交辞令は得意ですか?(そう!意外に大事なんだよね)
・あなたの真理はなんですか?(あるある。自分データ♪)
・あたなは狩猟型?農耕型?(まぁ自分のやり方でやってくしかないかも(^^;)

って、全部リストにのっけたい勢い。しかもそれぞれにすごくコメントしたい。この本がブログだったら反響すごいだろなぁ・・



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これからはあるくのだ 角田 光代

これからはあるくのだ
おもしろい。
ほんとおもしろい。

笑いがあり、涙があり、自由があり、不自由があり、癒しがあり、毒があり、好きがあり、嫌いがあり、
知性があり、バカがあり、あり、あり、ありで何でもある世界。
しかし、飾りがない。
着飾ろうとしない彼女。

へんな評価だが、
友達になってほしい。
付き合ってほしい。
一緒に働きたい。
一緒に暮らしたい。
悩みを聞いてほしい。
メール交換してほしい。

人である。




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さがしもの 角田 光代

さがしもの
ある意味すごい衝撃的でした!!
すげぇ、すげぇよ・・・本ってすげぇな
って改めて思わされた作品でした

本好きな方には強く共感できる部分があると思います。
自分の人生を変えてくれたんじゃないか
って思うような作品達に巡り合えたこと、
そして同じように共感してもらえる相手がいたこと、
こんな素敵なことはないなって
ホントに幸せに思ってしまいます。

きっといつかホントに自分にとって
特別な存在となる本とめぐり逢えるのかとか
既に読んでしまった本の中でいつか読み返した時に
そんなよーなことを感じるのだろうかとか
それを通して大切な人達との出会いもあるんだろうなどと
本に対してより一層愛着がわきました。

そんなことを無性に感じてしまうような
じーんと心に響く9つの短編集です。
素敵な出会いをしました。
おそらく物語中に出てくるような
古本屋に自然と足を運びたくなるかもしれません笑



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posted by クロルデン at 12:21 | TrackBack(0) | か行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

八日目の蝉 角田 光代

八日目の蝉
本屋で手に取り、
1、本屋大賞ノミネート
2、輝く!ブランチBOOK大賞2007受賞、
3、あらすじがほとんどかかれてないこと
に余計内容が気になって衝動買いした本。

とにかく、最初から最後まで不思議な感触がする物語でした。
言葉の綴り方が繊細でかつ荒々しくて、情景を想像させるだけではなく、
その場の雰囲気までも肌にまとわりつくような気がするくらい、物語のなかに引き込まれていました。

主人公は犯罪を犯しているのに、味方したくなる自分の気持ちに、なまぬる〜いものも感じていました。

この物語は、実際にあった事件がモデルになったとか。
自分を捨てた不倫相手の赤ん坊を連れ出した女性が逃亡を繰り返す話っていう内容なものだから、
ひたすら暗い雰囲気なのかと思いきや、読み始めるとさくさく読めて、読むのを中断するのが惜しいくらいで、
意外にも読み終わった後には、『気持ち悪さ』と同時に『爽やかさに似たもの』を感じました。

主人公の気持ちがもっとも現れた言葉を発する場面では、なんとも言えない衝撃を受け、鳥肌が立ちました。
母性とはなんだろう?
血が繋がっていないのにも関わらず、ここまで子供を愛せるなんて。
血が繋がっているというだけで、本当の母親になれるのだろうか。
家族のあり方って、自分の存在って、本当に深く深く考えさせられる一冊でした。




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しあわせのねだん 角田 光代

しあわせのねだん
あとがきで、一人暮らしを始めたとき母親が、困ったときに使うようにとくれたクレジットの家族カードで1ヶ月40万円以上の浪費をしたとあった。もしやと思って著者紹介を見ると未年生まれ。
うちの末っ子の金遣いの荒さを同級生の子のお母さんに嘆いたら「うちもうちも。だって未年だもん。」ヒツジはお札まで食べてしまうからだそうです。(堅実な未年の皆様すみません。勿論根拠のない戯言です。)
そう言えば、結構ばんばん買い物をしてしまう知人も未年で、でも経験豊かな分モノを選ぶセンスがあるといつも感心させられる。
20代のとき使ったお金がその人の根っこのようにその人の一部を作るというくだりを読んで、自分は20代のとき何に使ったかなあ、仕事で時間的にも精神的にもあまりお金を使う余裕がなかったような気が。もっと無駄使いしておけばよかった。末っ子の浪費をとがめる手前堂々と浪費することもできない。
読みやすいエッセイでした。表紙の装画も不思議な雰囲気です。



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森に眠る魚 角田 光代

森に眠る魚
徐々に徐々に、ふと気付いたときには、森の奥深くに迷いこんでいた彼女たちの話。
題名に魚があるように、水に関する表現が、ひどく生々しく印象的だ。
また、普段の暮らしのすぐそばにある、壊れた日々の亀裂に落ちるさま。
なんでもない日常に耐えられなくなる瞬間。
これらをグロテスクなほどに、書き抉る。
膿は抉り絞り取らねば、治らないのだが、読む人によっては、読む行為そのものが苦しくなるであろう。

ここ数年来の角田氏の主題である、『生きる場所、選んだ場所と生活』
そして、悲しいことに考えてしまう、あったかもしれないほかの選択肢のこと。
だけど、『世界は終わらず、日々はまわる』どんなに苦しくても。

他の本のあとがきにも書いてあったのだが、毎日の家事がしばしば支えとなる。
それにしても、罪なほど食いしん坊な作家だ。
料理欲がむくむくと頭をもたげてしまう。
ジェノベーゼを作りたい。カジキマグロのソテーも。



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対岸の彼女 角田 光代

対岸の彼女
主人公である30代の女性2人の友情と亀裂をリアルに描いた作品。

20代男性の僕には、まさに対岸のお話。
“どうでもいい”し、“関係ない”わけで。

ところが、最後まで飽きることなく読んでしまいました。
ストーリーが面白いわけでも、心温まるエピソードがあるわけでもなし(←むしろ、女性ってこんな感じなんだぁ…と心がうすら寒くなります)。
何にそこまで惹きつけられたのかと言うと、心の機微のリアルさ。
小説なのに、作り話という感じがしませんでした。
知り合いから、打ち明け話を聞かされているような。

それだけに、主人公たちに真剣に向き合わなくてはならず。
あまりに電車で真剣に読んでいたので、一駅乗り過ごしました。
あやうくバイトに遅れるところでした。
遅れたところで、対岸の彼女は助けてくれない…。
また、ドラマでは見たりしていたものの他人事としか考えていなかった結婚生活が想像できました。結婚して働く主婦(仕事して、保育園に行って、買い物して、夕食作って…でも夫は夕食食べてきちゃって、仕事に対する理解は得られなくて、感謝もされなくて)の生活は、とても大変なんだなと思いました。今の自分にはできないだろうなと思いました。

全体的に描写が細かく丁寧で、想像が膨らみ、話しにひき込まれました。女性の人間模様が描かれているので、女性にとくにおすすめです。

葵とナナコのお話にはとくにひき込まれ、初めて本を読んで泣きました。本を読んで泣くというのは映画やドラマを観て泣くのと同じような感覚なんだと知りました。



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2007年03月28日

サクリファイス 近藤 史恵

サクリファイス
20代の頃、自転車を勢いよくこいでいて、何かの弾みで思わずブレーキをかけそのまま勢い余って頭から前転するように転んだ経験がある。

痛いなんてもんじゃなかった。幸いたいした怪我はしなかったが、しばらく息が出来ないほどだった。

自転車は移動手段としてこの上もなく便利な物だが、同時に大変危険な乗り物でもある。

身にしみてわかっているつもりだ。だから最近は十分に気をつけて、スピードを出さずに乗っている。

数年前に宮部みゆきさんの「誰か」を読んでさらに慎重に乗ろうと覚悟していた。

この作品ではそういう自転車の怖さが書かれている。あの怖さをまた思い出してしまった。

自転車のロードレースが題材であり、そのレースに参加する選手たちの心情描写と力強いレースシーンで作品のほとんどが占められている。

だとすると、自転車を走らせてその限界へ挑戦しようとする姿を描いたのかなと考える。ところがそうではない。この作品の主人公はチームプレイに徹するのだ。

チームのエースを助けるのがアシスト。彼はアシストに徹することで満足感を得てしまう。彼のチームのエースは経験豊富なベテラン選手。エースに必要不可欠な天賦の才にも恵まれている。

しかしチームメイトから人望があるのかというとそうでもない。このエースは勝つためならアシストを使い捨てることなど意に介さない。冷ややかで計算高くレースに臨むタイプ。

主人公はそのエースを助ける事で充足感を覚える。それが自然なことだと思いこんでいる。

なるほどだから「サクリファイス」か。生け贄だ。エースのために犠牲になる生け贄の役を主人公が担っているからこんなタイトルになったのか。

なんだか気に入らないタイトルを付けたなぁ。この作品を読み出してからずうっとラスト近くまでそう思っていた。

ところが最後になって違う意味だとわかった。もっともっと深い意味があるのだとわかった。作者の近藤史恵さんはそんな簡単な意味でこのタイトルを付けたのではないと言うことが心にしみて感じられた。

ギューと絞り切って作ったレモンジュース。レモンを二つ、三つしぼったジュースをグラスに入れる。氷と天然水を入れて冷たくする。ゴクリと飲む。もちろん糖分は入れない。

私のイメージ。というか、この作品を読み終わったあとに感じたこの作品のテイスト。すっぱうまかった。



タグ:近藤 史恵
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2007年03月25日

乳と卵 川上 未映子

乳と卵

第百三十八回芥川賞受賞作。 

書店に入ったら、たまたま本日発売の表示がでかでかとされた芥川賞掲載の文藝春秋が棚に平積みされていて、即刻購入して読んだ。 
その後ハードカバーが発売された。 

芥川賞の選考では、選考委員会の殆どが肯定的な意見を示すなか、石原慎太郎現東京都知事が圧倒的な全否定をしているのが印象的であった。

個人的な感想。
はっきりいって文章が読みづらい。しかし、内容は残るものがあっていい。
読んでる最中よりも、読後に体にしみ込んでくる小説だと思う。 

個人的には川上未映子さんは小説よりもインタビューの方が好きだ。
いい言葉をたくさん言っているし、その分直接的に伝わってくる。言葉が簡単な分、理解しやすいとも言えるかもしれない。

あるいは、川上さんにとって小説は世界観を伝えるための道具なのかもしれない。
この小説には、小説でしか伝えることのできない世界観がある。


posted by クロルデン at 22:56 | TrackBack(0) | か行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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