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2010年02月11日

終の住処 磯崎 憲一郎

第141回芥川賞

たまにある会話も改行無し。文字の行列。文字に押し出されるように読み進めると、いつのまにかエンディング。スタートから20年もの月日が流れ、彼も妻も50過ぎ。最後の締めが印象的。

−この家でこの部屋で、これから死に至るまでの年月を妻とふたりだけで過ごすことを知らされた。それはもはや長い時間ではなかった。−


今までに流れた時間を考えると、「もはや長い時間」ではないのだろう。ページ数でいうと何ページ分か(笑)

確かに毎日毎日過ぎていき気がつくと一年、また一年つみかさなってる。
嬉しいこと悲しいこと大変なこといろいろが逐一過去になりつみかさなっていく。

うれしいこと、楽しいこと、悲しいこと、どんなドラマティックな出来事があっても、時間の流れは基本同じ。

過去があって、今がある。
でもそれぞれの過去を語ることなく、強弱つけず、人に流れる時間のスピードに忠実に(同じスピードで)文章におこしていけば、確かにこんなかんじになるのだろう。

毎日ドタバタしていても、それが過去になると
この本のようになるのかと、感じた。

面白い本、
読後、余韻が残る作品です。

「過去においてはただの1日でも、1時間でも、1秒でも、
無駄に捨てられた時間などは存在しないのだから。
お前が今この時間を、この1秒をあきらめることによって、
お前は永遠の時間をあきらめることになるのだ」

「老いて、この世から去る間際になれば実感する日がくるだろうが、
気が遠くなるほど長い、ひとりの人間の一生といえども、
いま目の前の一瞬よりも長いということはないのだ」

終の住処


posted by クロルデン at 15:36 | TrackBack(1) | あ行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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日常の
Excerpt: 小説「終の住処」を読みました。 著書は 磯崎 憲一郎 第141回芥川賞受賞作 やはり 純文学は難しいというか 全部 つかみ取れなかった感じがしますね 妻との生活、不倫、子ども・・・ 最後まで..
Weblog: 笑う社会人の生活
Tracked: 2012-05-19 19:00
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