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2009年04月30日

名もなき毒 宮部 みゆき

宮部みゆきさんは結構好きな作家さんで、模倣犯、クロスファイア、今夜は眠れないなど結構読んでいるのですが、これはその中でも輪郭がしっかりした作品だな、という印象を受けました。

宮部みゆきさんといえば、時代劇やファンタジー系の作品を書かれるとともに、現代社会の抱える闇についてのいわゆる社会派的な作品も書かれています。

火車、模倣犯、楽園などですね。

その中でも「名もなき毒」はまた一段と優れた作品であると断言します。

宮部さんに特徴的なストーリーテリングに物語に引き込まれつつ、現代社会に生きる私たちに作者は問いかけをします。

タイトルの「名もなき毒」が何を指しているのか?

その意味を知ったとき、否が応にも自分自身が毒に犯されていないだろうか、と考えずにはいられません。

勿論、小説としての面白さを十分に持ちつつ、重くなりがちな社会的テーマを軽妙な登場人物のセリフでさらっと伝える。

その2重構造がこの本を傑作にしています。

地元ではむくれてイジイジすることを毒れるって言うんですが、今更ながらにちゃんと意味が分かったような気がします。

原田さんの場合は元々毒を貯めやすい性格だったんだろうけど、少年の場合は環境の重さに耐え切れなくなって、歪んでしまった故の事だったと思います。
そう思うと、誰でもそういう風になりうる可能性があるし、亡くなった探偵さん(名前忘れました)が言った、原田さんが素直な普通の人というのは納得できる気がしました。

それにしても、一人の心の中で生まれた毒なのに、なんと殺傷力の強い事か。
私も怒りっぽいタイプですが、あんまり外へ出すのは控えようと思います。


名もなき毒

ラベル:宮部 みゆき
posted by クロルデン at 20:03 | TrackBack(0) | 宮部みゆき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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